五十肩
五十肩(ごじゅうかた)は、肩の痛みと運動制限をきたす疾患です。
肩関節周囲の組織(筋肉・腱・靭帯など)に広汎におよんでくるいくつかの病態を総称して五十肩といいます。
以下の症状に当てはまると五十肩だと考えられます。
1.肩に疼痛(痛み)と運動障害がある。
2.患者の年齢が40歳以降である。
3.明らかな原因がない。
最初、肩関節付近に鈍痛がおこり、肩もスムーズに動かせなくなります。。
腕を動かそうとすると、ある位置で腕がひっかかり、痛くて動かせなくなります。
次第に痛みは鋭いものになり、急に腕を動かす場合などに激痛が走るようになります。
痛みのために、腕を直角以上に上げられなくなったり、後ろへはほとんど動かせないなどの運動障害が起こります。
個人差もありますが、重症化すると、洗髪、歯磨き、洗濯物を干す、電車のつり革につかまる、洋服を着る、寝返りを打つなどが不自由となり、日常生活に大きな困難をもたらす場合もあります。
痛みのピーク時には肩の痛みに加えて、腕全体にだるさや痺れがあります。
「夜間痛みがあったり、痛みで目が覚めてしまう」「じっとしていても痛む(自発痛)」
このように夜間痛や自発痛がある場合は腕や肩関節に炎症がありますので急性期と考えます。
慢性期になると肩関節を外側へ回すことが難しくなり、関節が固まったかのようになってしまう拘縮症状が現れます。
治療
急性期は鍼とお灸で傷んでいる組織の消炎、沈痛をおこないます。
炎症が強い時は肩を無理に動かすことを避け、安静を心がけます。
慢性期はそれに加えて、拘縮の進行を防ぐために循環改善をはかります。
この期には運動療法も行うよう指導します。